オーストラリアの山火事と大気汚染について
2019年9月から2020年2月まで続いた、オーストラリアの森林火災。
実は、オーストラリアでは毎年山火事は起こっています。
しかし、その規模は小さく、オーストラリア全体の森林面積の約1%が被害に遭っていました。
ですが、2019年に発生した山火事は規模が大きく、結果的にオーストラリア全体の森林面積の約21%が焼失したようです。
ちょうど2019年夏季は雨が少なく、気温が高いといった悪条件が重なったのが、被害拡大の原因だそうです。
私が渡豪した2019年12月は、まさに山火事のピーク時でした。
日本でもシドニーの山火事が深刻だというニュースが流れていたので、
日本出発前にはPM2.5対策として、マスクを用意していきました。
(山火事で発生する煙は、健康に影響があるPM2.5が多く含まれています。)
ある程度覚悟をして渡豪したものの、山火事の影響は予想より大きかったです。
今回はその時のことを綴ります。
まず、日本-シドニー間のフライト中、朝5時ごろNSW州上空を飛行していました。
普通なら、飛行機の窓から朝焼けや薄暗い街明かりが見える時間帯ですが、
上空から見下ろした景色は一面もや。
最初は、朝もやかなと思ってぼーっと眺めていましたが、
いつまで経ってもなくならないもやに、ようやくこれが山火事の煙だと気づきました。
よく見ると、森林のあちこちから煙が立ち上っています。
その光景はシドニー到着時も変わりませんでした。
もともと喘息持ちだったので、その情景に怖くなってマスクをつけて空港を出ました。
空港から市内までは電車で移動しましたが、マスクをしている人はちらほらいました。
渡豪後、状況が一変するのは、その3日後です。
1日目と4日目の街並みを撮影していたのでご覧ください。
(シドニー1日目)
(シドニー4日目)
空気の色が明らかに違います。
昼間から夕方かと思うような薄暗さ。
ずっと視界が黄色いです。
さすがにこの日は街中でマスクをしている人を多く見かけました。
大半は中国系の方々です。
オージーでマスクをしている人は、ほとんど見かけません。
その日の大気汚染指数を、地域ごとに教えてくれるサイトがあるのですが、
1日目のPM2.5指数は200超え。
4日目の指数は1900超えです。
異常ですよね。
でも、何が異常かって、PM2.5指数は200以上でハザードなんです。
綺麗だと思っていた1日目の写真でさえ、大気は汚染されているのです。
その後も、山火事が鎮火する2月まで、写真の景色が交互に繰り返されました。
前述したように、持病の喘息が悪化しないように、
⚫︎朝起きたら、まずPM2.5指数をチェック。
⚫︎指数が高い日は、外出や洗濯を避ける。
⚫︎外出時は必ずマスクをする。
などを意識的に行いました。
政府からも、呼吸器系疾患のある人、子供、お年寄りは、なるべく外出を避けるようにと発表がありました。
また、山火事の影響は大気汚染だけでなく、水不足も深刻化しており、
テレビでもNSW州制作で、
⚫︎庭の花壇に水やりをする時は、ホースを使わずジョウロを使うこと。ホースを使ったら罰金。
⚫︎今以上に水不足が深刻化したら、シャワーの時間を1日何分間に制限する。時間を守らなければ罰金。
といった、警告のようなものが流れていました。
政府が決めたルール違反者には容赦なく罰金を課す勧善懲悪スタイル。
さすがオーストラリアですよね。
もう1つびっくりしたことは、
山火事はNSW州北部のブルー・マウンテンズまで迫って来ていたのですが、
シドニーに住む人は全く恐怖を感じていなかったことです。
私が一緒に住んでいたシドニー在住歴20年のオーナーは、
「この辺りまで火が来ることはないよ。Haha。」
と、怖がる私のことを笑っていました。
そして、この山火事は2020年2月に、1週間続く大雨によってようやく鎮火します。
それはそれで大変だったので、また書きますね。
以上、オーストラリアの山火事と大気汚染についてでした。
オーストラリア滞在中、特に夏季はいつ山火事に遭遇してもおかしくないので、
それなりの気構えとマスク準備で行けばオッケーだと思います。